東京プレッシャー
地方から見るとなぜか東京は、一つ違う舞台のように感じるものらしい
東京と言ってもかなり郊外で育った私は、やはり 都会なれしていなかった。
そんな訳で、 はじめて友達と2人、原宿へ行った中学生の時、
「田舎者が見抜かれると 店から追い出されるかも」
と勝手なプレッシャーを感じ、思わぬ失敗をした。
クレープ店に入ってMENUを見た時だった。
あまりにもカタカナだらけの品名が理解できず ひどく緊張した。
かといって、いちいち それが、何か聞くのも恥ずかしく
思いっきり知ったかぶり なれた物だとばかりに
「これ下さい。」 と 一番上の文字を指さした・・・
すると
友達も店員も かたまった。
そして
「それ店名です。」 と店員は静かに言った・・・
こんなことを経験しつつ いまでは、どんな事も恥ずかしげ無く行なえる
マニュアル道理の ある意味正しい立派な おばさん になっている。
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そういえば以前、私の知人から 知人の男性先輩のこんな話をきいた事がある
その先輩は、地方から出てきたばかりのプレッシャーで、何ごとも失敗の無い様
相当気をつかっていたらしい。
ちょうど もみあげ を 伸ばすのが流行っていた頃、
その先輩は、東京で初めて、美容室に行ったそうだ。
そして
店員さんに 「もみあげ どうします?」
と聞かれたそうだ。
「もっ もみあげ・・・?」
地元の理髪店では、聞かれたことがなかった先輩は、一瞬「もみあげ」の意味が分からず、
「もみあげ」っていったい何なんだ・・新しいサービスなのか・・??
うっかりしたことはいえない・・・・ 田舎者などと思われては大変だ・・
絶対 それ何ですか?とは、聞けない・・・
とあせったそうだ。
「これぞ都会の罠」 とでも 感じたに違いない
そして
激しい緊張の中 しばらく考え こう答えたそうだ。
「とりあえず・・・もんでください。」
これも 東京プレッシャーが なさせた技であろうか・・・
その先輩は、まんまと都会の罠に、はまってしまったのである・・(自分から)
そしてその話を聞いた私は、
私の失敗などは、足下にも及ばない気がした・・・